どうも桑田です。
今日は「座る」シリーズ3つ目の「頭」についてです。
前回の記事はこちら
背骨や骨盤、肩甲骨と主要となる部位の話をしてきましたが、それらと切っても切り離せないのが「頭」です。
前回の記事で、実は1行だけ出てきたワードだったのですが、気づかれたでしょうか?
頭は脳など中枢としての機能もありますし、視覚情報や平衡感覚など体を立たせる上でも非常に重要です。
そんな「頭」ですが、パソコンのディスプレイやスマホを視る私たち現代人は生かしきれていない傾向があります。
では「頭」はどのような動きをできれば良いのでしょうか。
顎を引く重要性
頭を背骨の上に立てる=背骨を立てる ためには「顎」を引くことが大切です。
前回の図でも出させていただいた頭部屈曲のような動きです。
これができないと、立っている背骨の上に頭は立てれないことは想像できるかと思います。
いつでも図の右側にある頭部伸展の状態になっていたら頭は後ろに倒れてしまいますので、首や鳩尾(みぞおち)を曲げて、顔を前に向けなければなりません。
なんだか見覚えがあったり、普段感じているような不良姿勢ではないでしょうか?
当然この姿勢で過ごしていれば
- 首の筋肉の疲労や緊張により頭痛、首の痛み
- 背中や腰の筋肉へのストレスによる腰痛
- 内臓への圧迫による内臓の機能不全
などなど挙げたらキリがないくらい不調を生み出します。
じゃあ顎さえ引ければ姿勢は全て良くなる!、というわけではありません。
それは今まで上げてきた記事を読んでいただいている皆さまならお分かりいただけると思います。
ただ、それでも仮に股関節、骨盤、背骨、肩甲骨が上手く機能していたとしても頭を立てる、いわゆる顎を引くをできないと楽に座ることはできません。
人間の体や動き、姿勢において「1つできていれば上手くいく」ということは、ほとんどありません。
また顎を引くのが重要といっても顎を引きすぎてしまう方もいらっしゃいます。
これはこれで問題があり、喉元を潰すようなストレスがかかりますし、何より背骨が「まっすぐ」すぎるのです。
なので顎を引けることは大切ですが、何事もやりすぎは厳禁だということです。
顎を引くには背中(胸椎)が必須
よく「顎を引く運動」というのが肩こり首こりへの対策であったり、猫背を矯正するための方法として紹介されています。
ただ、顎を引くという動き自体が私たち人間のシステムで言うとそこそこ難しい動きの一つなのです。
一見するとただ顎を引くだけのような気もしますが、実はこれ前回、前々回の記事でお話しした「人間の動きのルール」をしっかりと使わなければできない動きでもあります。
おそらく、ここを理解せずに行うと、ものすごく上手くできる人と全くできない人の二分になるかと思います。
では人間のルールとしてはどのようなことが必要なのでしょうか。
顎を引く動きは「頭部屈曲」と「胸椎伸展」が必要になる動きです。(図では頸部ごと胸椎になってますね、ごめんなさい笑)
実は頭だけでなく背骨の動きも複合して行う必要のある動きなのです。
つまり頭部屈曲に対して背骨の伸展(胸椎)が連動しないと正しく顎は引けないんです。
そのため顎を引けない方には当院ではこんなことから始めていきます。
- 仰向けで背骨全体を反る
- 仰向けで上を見ながら(頭部伸展しながら)反る
- 反る動きに対して肩甲骨や胸郭、骨盤や脚が邪魔をしていないか(エラーがないか)を確認する
- 床やベッドに体をあずけれない、またはそもそも反れないのであれば「丸くなる」ほうから始める
1例ですがこのような形式で進めていきます。
前段階で大まかに4つほど項目が挙がるわけですから、それだけ顎を引くことが発展した動きであることはお分かりいただけるかと思います。
あとがき
頭を立てるためには顎を引くことが重要であることを書かせていただきました。
ただし、顎を引く動きもそう簡単な動きではないよ、とも理解していただければと思います。
私たちが簡単に行っているような動きでも、実際には色々な条件が達成することで行えるようになっていることも多いのです。
様々なメディアから情報を取れる現代だからこそ一足飛びの情報が多く入ってきてしまいますが、人間の体のルールがあることを理解しておけば、仮にできなかったとしても「その前段階を見直す」という選択肢が生まれるかと思います。
当店ではその「前段階」を大事にしています。
もし他の動きでもそういったことが気になる方は気軽に相談してください。
ではでは。