どうも桑田です。
現代人を悩ませるお体の悩みに「腰痛」があります。
慢性的になりやすく、ひどい時には歩くことや立つこと、もしくは寝転がることすら難しくなることもあります。
そんな腰痛ですが、以前よりも原因が偏ってきている傾向があります。
骨盤のコントロールと背骨の反り
腰痛の原因として今までよく遭遇したのが
- 大殿筋など臀部(でんぶ)の筋肉の疲労
- 腸腰筋など背骨と股関節を繋ぐ筋肉の疲労
- 肩甲骨や胸郭(あばら骨の籠)のコントロール
といった事が多くありました。
もちろん今でも上記の理由で腰痛を生じている方もいらっしゃいますが、最近は上記の筋肉を整えたり、肩甲骨や胸郭のコントロールを促してもあまり症状が変わらないことが多いです。
では最近はどのような原因が多いのでしょうか。
それは「骨盤のコントロール」と「背骨の反り」です。
骨盤のコントロール
骨盤は腰部にある大きな骨で様々な動きの力源として動いたり、座っているときに体を支える骨として活躍する非常に大切な部位です。
骨盤矯正など整体の分野でも取り上げられたり、ボディワークやトレーニングの分野においても取り上げられることの多い、割と聞いたことがあるのではないでしょうか?
そんな骨盤ですが最近骨盤を前や後ろに傾ける動きを極端にできなくなっている方に多く遭遇します。
特に若い年代に顕著でスポーツをバリバリやっている中学生や高校生、大学生でも動かせない人が多く増えています。
骨盤を傾ける動きの中でも特に後傾(こうけい)という骨盤を後ろに傾ける動きができない事が多いです。
下記の赤矢印の方向が後傾です
この骨盤後傾という動きは背骨と手足の関係において土台ともなる非常に大切な動きで様々な姿勢や動きに影響を及ぼします。
例えば骨盤の後傾がうまく機能しないと
- 振り向いたり、寝返ったりと体を捻る動きで痛みが起きたり可動域(うごける範囲)が狭まくなる
- 起き上がる際に体をうまく起こせず、痛みを生じる
- 視線を下に向けると首が痛む
- 座っていて足の裏が床に着けなくなる
- 股関節が外に開かない(あぐらなど)
- 息が吐けない
などが問題としておきやすくなります。
これだけでも重要な要素を多く含むのがお分かりになるかと思います。
そんな重要な骨盤後傾の動きを行えない方が非常に増えています。
反対の動きである骨盤前傾もとても大切で、後述する反れない背骨にも関わるのですが、人間の動きの構成から考えると骨盤後傾の方が基となる機能です。
そのため、前傾ができなくて悩んでいる方にも実は骨盤後傾から練習した方がうまくいくケースが多々あります。
背骨の反り
背骨を反らせるという動きの要素は、私たち人間が快適に座って立って生きていくには必要不可欠な動きです。
どうしても「反る」という単語を聞くと、背筋が伸びた綺麗な姿勢という要素に意識を持っていかれがちですが実はそれ以外にも多くの要素を持っています。
そのため背骨を機能的に反らすことができないと
- 背骨を本来の機能で支えられず神経を圧迫して、しびれを起こす
- 腸腰筋が緊張しやすく、腰痛やギックリ腰になりやすい(※反ればギックリ腰が治る訳ではありません)
- 内臓が下垂しやすく、胃腸のトラブルが生じやすい
- 臀部が後ろに突出した姿勢になりやすい
- 歩いたり、走る時につま先の踏切が使いづらくなる、しっかりと歩けなくなる。
- 胸が開かず息苦しかったり気分が悪い
- 緊張性の頭痛を起こしやすい
など現代人が悩みとして抱えやすいトラブルの原因となりやすいです。
最近はこの背骨の反りがうまく行えない人が本当に多くいらっしゃいます。
おそらくコロナ禍での生活で動く機会が減り、座っている時間が多くなったためではないかと私は考えています。
コロナの影響が減りつつあり、以前より活発に動く方も増えてきたかとは思いますが、上手く背骨を反らすことができず、腰へ負担をかけて生活をしていると言いましょうか。
積極的に修正していきたい動きではありますが、前述の骨盤後傾と兼ね合いをみていく必要があるため、なんでもかんでも反れば言い訳ではないので注意が必要です。
運動紹介
骨盤のコントロール及び背骨の反りの状態を、チェックできるかつ日々のケアに使用できる運動を紹介します。
骨盤のコントロール(骨盤後傾)の運動
1.仰向けに寝ます
2.両足を抱えて、お臍(へそ)を覗きます
3.前後にゆりかごの様に揺れます
回数:5〜10回
前後の動きが厳しければ、両足を抱えてお臍を見るだけでも十分です
ポイント
- 臀部の辺りが背骨を丸めることで浮き上がるのを確認する
- 手と膝の力で前後に動かないように注意する
- 呼吸を止めないようにする
背骨の反りの運動
1.仰向けに寝て膝を立てます
2.視線を上に上げながら(黄色矢印)、腰と床の間に空間(白い玉)を作ります
回数:5〜10回
ポイント
- 腰を上げる動きが「骨盤」「背中」の動きによって作られることを意識する
- 息を「吸いながら」行う
- 慣れない時は手や腕で床を押しながら行なっても大丈夫です
腰に痛みが強く走る際には前述の骨盤のコントロールのみにしてください
あとがき
シンプルな動きですが意外とできない事が多く、また最近腰痛に悩む方はこういった動きが困難な方が多い印象です。
習慣化するのが難しい方は「1日1回動きができるかどうかチェックしてみる習慣」をつけてみる事がオススメです。
やってみて何か疑問などありましたらお気軽にお聞きください。
それでは。