どうも桑田です。
数ヶ月前に腕が痺れるけどレントゲンなど画像では問題なく、整形外科テスト(症状の原因を探る検査)でもあまり反応がない方に関わらせていただきました。
腕の痺れというと画像で背骨(頚椎や胸椎)を見れば骨格により神経を圧迫しているかは確認できますし、筋肉による神経の圧迫であれば整形外科テスト、触診などで割合分かりやすいです。
しかし、どれも当てはまらず、いわゆる不定愁訴といったお方でした。
実際に介入させていただいて、様々な検査をしてみたり、触ってみたりしてみましたが確かに原因となる部分が明確にならない。
ただ、なんとなく腕全体が強張っていて、胸元が狭く窮屈な状態で、表情もなんとも曇っており、声も小さい印象でした。
そこで最初に行わせていただいたのは「会話をすること」でした。
お話をする
「固い問診」ではなくお話をしました。
お仕事は何してるんですか?
おー、昔からやってるんですか?
なら結構、首とか肩凝ったりしてたんですかねー。
あぁ凝りは感じないタイプなんですね。
私も感じない方けど触られると固いって言われるんですよー
まぁ私の場合はゲームのやりすぎかもですが・・・(笑)
といったお話から日常の会話をさせていただきました。
もちろん、良くする為に来ていらっしゃるので向き合って、お話だけするのではなく、手の状態を整えたり、首元を緩めたりしながらです。
そんな中で気になったのが「呼吸」していないことでした。
息してみてはどうですか?
いやいや、呼吸しなかったら死んじゃうでしょ(笑)
はい、なので息を吸っていますし、吐いてもいました。
しかし、わたしたちが普段行っている自然と無意識に行われる呼吸ではなく、肩や首をすくめて胸元がほとんど動かないような呼吸をしていました。
なので肋骨がガチガチで腕が強張るのも納得の一言です。
そこでご本人に「呼吸」って吸うのと吐くのどちらが得意ですか?という質問をしました。
当然「分からない」と返答をいただいたので、実際に試していただきました。
そうしたら、吸うのが苦手と仰っていました。
では胸元に手を当てて吸うときに動いているか観察してみてください。
そう提案させていただきました。
「難しい」
「吸うことにこんな意識した事がない」
「よく分からない」
「でもさっきより楽」
「痺れも減ってきてる・・・・あれ?」
なので私は「息・・・してなかったのかもしれませんね。息してみてはどうですか?」
と一言。
この回は本人に吸う時の胸元の状態を観察していただくことだけで終えました。
しかし、痺れは大幅に軽減して、腕の強張りも減り、表情が柔らかくなっていただけました。
「あー、私呼吸してなかったんですね」とにっこり。
マスクの影響は想像以上
現代人である私たちはパソコンやスマホなどの生活様式の影響もあり、上半身が想像以上に動かなくなっています。
そこにコロナ対策の一環でマスクを常にしている生活なので、呼吸は浅くなり、一層上半身の硬さは顕著になります。
そして快適な呼吸というシステムがなくなっていき、努力的な呼吸を日常的に行ってしまう傾向があります。
さらにそれが悪化すると努力的かつ浅い呼吸になってしまい、もう胸元が開くことなんてとんでもない!というような状況に陥ることもあります。
今回の方がまさにその類の方だったのではないかと思います。
大きな呼吸、胸元やお腹がすごい動く呼吸ではなく自然と楽にできる呼吸。
そんな呼吸を自分はできているかな?と見直してみるの良いのではないでしょうか。
呼吸が原因になる不調も存在するのですから。