どうも桑田です。
最近バイト先の方で、スポーツ少年少女を担当させていただくケースが増えてきています。
高校や中学の野球部、サッカー、バスケなど種類も様々です。
背中が痛くてバットが振れない
ボールを投げる瞬間に肩が痛む
走ったり、歩くと足の裏が痛い
などなど大人顔負けの痛みを訴えています。
中にはスポーツ中だけでなく、授業中に座ってると腰が痛くて授業に集中できないなんて悩みの子もいます。
今年が受験のお子さんであれば死活問題です。
では、子供の姿勢や運動の悩みを解消していくにはどういったことがポイントになるのでしょうか。
大人が思う「良い姿勢」「良い動き」をさせない
背中が痛い→猫背を治そう→背筋を伸ばして!
肩が痛い→肩が固いんじゃないか?→肩のストレッチをしよう
走るときに左右のバランスが悪い→常に真ん中に来るように意識をさせる
いつも力んでる→力を抜く意識をさせる
ボールを投げるときに手投げになる→意識をして手だけで投げないように!(強引ですよねこれ笑)
まだまだ沢山ありますが、大人がよく指導しがちなワードの数々です。
どうしても私たちは「悪い形」を「良い形」にしようとする傾向が強いです。
良い姿勢。
良いフォーム。
良い動き。
これが子供を見ていく上で落とし穴になっていることが多いです。
子供は私たち以上に自分の体が持っている選択肢の中から楽な姿勢や動きを選びます。
そのため、猫背な子でも背筋がピンと張った子でも、それが自分の体にとって楽だから選択しているわけです。
しかし、私たち大人は「知識」で知った「良い形」をとろうとします。
そして、それを子供にも「知識」として教えることで意図的に変えていこうとしてしまいます。
たしかに、意図して形や動きを良くしていく方が瞬間的には早く変わります。
ですが、知識によって意図された動きには残念ながら中身のない、いわゆる質が伴っていない動きになります。
先ほど挙げた背中が痛くて猫背の子を例にしましょう。
猫背で背中が丸いから痛いのであろう、ということで背筋を伸ばすように指示します。
ですが、その子にとっては背筋を伸ばすことが楽な姿勢や動きではないはずです。
「背水を伸ばしたら楽になる」という感覚を得られないからです。
下手したら「背筋を伸ばす」とはどういった動きなのか分からないかもしれません。
猫背の人に多いのですが背筋を伸ばすように意識してもらうと、頭が後ろに行き、腰で体を立てようと頑張る人が多いです。
背中や胸、骨盤や脚を普段使っていおらず、代わりに一番使用しているであろう首で制御をしてしまいます。
そんな状態の動きでは首や腰は疲弊し、「楽」ではないため、よほど意識をしないと背筋を伸ばそうとはしません。
そこで「背筋を伸ばすってこういうことなんだよ」というヒントになる情報を教えてあげていく必要があります。
体に姿勢や動きのヒントになる情報を教えてあげる
先ほどの内容の通り、その子の体に姿勢や動きの情報を教えていかなければなりません。
猫背の子に背筋を伸ばす情報を教えるには、当然ながら「背中」「胸部」「肩甲骨」は必須かと思います(もっとありますが)
ただ、ここで我々大人は「背中のストレッチを調べよう」「肩甲骨剥がしの動画を見てみよう」という思考になりがちです。
残念ながら今調べようとした内容は「さらに先」の内容になっていることが多いです。
これが「知識」で変えようとしてしまう我々大人の欠点とも取れます。
「知識」では体に情報を与えるのは本当に難しいです。
ではどういったことが情報になるのでしょうか。
私が猫背の子供に行った内容をあげてみます。
- 両方の肩甲骨に触れて肩甲骨の存在を教えてあげる。こちらで肩甲骨に触れたまま、肩を動かしてもらう。
- 背中を息を吸いながら反ってもらう。目線を上に向けながら反ってもらう
- うつ伏せで胸元と床(ベッド)との接地感を観察してもらってから、楽な深呼吸を繰り返してもらい1〜3分ほど繰り返した後と接地感を改めて感じてもらう
- うつ伏せで骨盤を好きに転がしてもらう
最初に行った内容はこのくらいです。
この後、背筋を伸ばしてもらったら「気持ちいい」と言いながら座ってても勝手に猫背を修正してくれていました。
私たち人間は体に「情報」があるから動いたり、姿勢を適応させていける能力があります。
この「情報」をとっていくには
- 感覚
- 人間の発達から考えた運動のレベル
- 努力させすぎないワーク
が本当に必須です。
両方の肩甲骨に触れてあげたのも「肩甲骨」という「知識」でなく「感覚で感じ取った肩甲骨」を情報として受け取って欲しかったからです。
反るという動きの仲間とも言える「吸う」や「目線を上に上げてもらう」を一緒に行うことで簡単なレベルの運動を行ってもらい反る動きを学んでもらう。
座って頑張って胸元を動かすのではなく、うつ伏せになることで胸元を努力することなく床に触れることで「胸部の情報」を感じ取ってもらう。
情報を取れるようにするワークはこういった内容から行っていきます。
そして、子供たちはいったん情報が入ると大人の数倍早く使いこなしていきます。
今回、見てた猫背の子は何も動きの指示はしていないのに、バッティングのフォームが全く別物になっていました(笑)
肩甲骨を感じ取る準備になるヒントのワーク
今回、猫背の子にやった内容は一人でセルフワークとして行えます。
- 現在の首の様子や肩に意識を向けてみましょう(必須)
- 肩回しのように片腕を前に5回、後ろに5回回してみて今の状況を確認してみてください。
- 反対の手で脇の下に手を添えます。可能であれば、ほんの少し手を脇の下に押し付けて上下に動かして肋骨を触れられるとgood(多分痛いです)
- 手で脇の下を触ったまま、触られてる側の腕を前回し10回2〜3セット、同様に後ろ回しにも行いましょう
- 脇から手を離して首や肩の様子を見てみましょう。その後、腕を回してみて何か変わったかを確認してみてください
首こり肩こりの人にも応急処置的な意味でも使えるワークなので知っておいて損はないと思います。
ぜひお試しください。
あとがき
情報社会によって知識を得ることで振り回されがちなのは我々大人ですが、その大人に育てられる子供も同様です。
子供の痛みによるトラブルの中には残念ながら大人の教えてきたことによって生じてしまっている子も多いです。
知識は大事ですが、人間の機能である感覚で「情報」を取ることは子供にとって本当に大切なことです。
結果を急いで良い形に変えようとしてしまいがちですが、それでは子供たちの体は置いてけぼりを食らう可能性があるわけです。
今回の内容が少しでも子供に関わる人に力になる情報になればと思います。
ではでは。