どうも桑田です。
首周りのトラブルを生じている方が多い昨今、整体院でも病院のバイト先でも関わらせてもらうことが多いです。
首というと
- 首の筋肉をストレッチ
- 顎を引く筋トレ
- 肩甲骨を内側(背骨側)に寄せる
という内容が多い気がします。
これで結果が出る方は良いのですが、実際はそう簡単にいかないのが首周りのトラブルです。
そこで一例ですが、私がお首の方がいらっしゃった時に確認する事と首に関連する部位で重要な肩甲骨について書いてみようかと思います。
首を使う「日常の所作」を確認する
まず問診でお体の悩みを確認しますが、その後に首の検査はほとんど行いません。
もちろん術後の方や問診の段階でレッドフラッグ(病院にいくべき状態)な方に関しては精査しますが、そうでなければ基本的には部位をお尋ねするくらいです。
首で重要なのは首を使う「日常の所作」を確認することです。
首を使う所作といえば「見ること」でしょう。
見ると一言で言っても色々な方向があります。
上下左右はもちろん、ですが右から後ろを見るや体を捻りながら顔だけ前を見るなど想像以上に多くのパターンがあります。
そのため単純に首の検査をするだけでは実用性のある情報は十分に取れないことが多いのです。
そこでまず私は
- 左右それぞれから後ろに振り向いてもらう
- 「人から呼ばれたと思って」振り返ってもらう
- 上を見る
- おへそを
この所作を必ず行います。
この動きから首の動きだけでなく、「他の部位で動きに参加していない部位」を探します。
首はさまざまな部位の動きの「総まとめ」のような役割があります。
それゆえに本来なら首とともに動く部位が動いていないと想像以上の負担を首で代用します。
このパターンが非常に多いです。
そのため動きを見ることでまずそこを探します。
そして、この「見る」動きに際して「肩甲骨」と「骨盤」を観察します。
想像以上に首に関わる肩甲骨
首の動きに関連して、肩甲骨は骨盤と並んで首に関わる影響が強いです。
そのため首のトラブルがあるお方には「まず肩甲骨」と言っても問題ないくらいです。
逆に肩甲骨に対して何もしないで首の状態を良くすることは本当に難しいです。
特に肩甲骨の中でも「外転」という肩甲骨の動きは必須です。
なんなら首のトラブルの利用者さんで、90分の整体において肩甲骨外転だけを行わせていただくことも多いです。
それだけ肩甲骨外転が首に与える影響が強いです。
それでは肩甲骨外転とはどのような動きなのでしょうか。
図で表すとこんな動きです。
肩甲骨を背骨から遠ざけるように外側に動かす動きで、肋骨に沿って少し前に出るような動きになります。
そのため手を前に伸ばしたり、背骨を曲げるときに動きの邪魔をしないようにするなど非常に大切な部位です。
そのため肩甲骨のストレッチとして腕を前に出したり、片腕を反対に持っていく動きがあるわけです。
また世に言う肩甲骨剥がしもこの動きを出したいがために行う人も多いのではないでしょうか。
しかし、この動きは単純に見えて結構難しく、できていると勘違いしてしまう人が多くいます。
代表的なパターンがこちらです。
右側のNGパターンのように肩甲骨ではなく「肩」を前に突き出してしまう方が多いです。
言い換えるのであれば肩が前に出ると首も前に出てしまいます。
ゆえに肩と首に負担をかけてしまう可能性が高いわけです。
そのため肩甲骨の外転を行う際に、肩・首・手首・肘に負担を感じながら行っている場合には肩甲骨が動いていない可能性が多いです。
首のトラブル解消に非常に役立つ肩甲骨の外転ですが、場合によっては負担をかけてしまっていることもあり、大きくダイナミックに動かすよりは最低限の力加減で動かす練習が必要となります。
なぜ肩甲骨の外転が大事なのか
しかし、なぜ肩甲骨の外転が首のトラブルに対して重要なのでしょうか。
理由の一つとしては人間が生まれてから最初の方に覚える基礎の動きであるからです。
出生して赤ちゃんの頃は人間は全身丸める動きをとっています。
丸める動きに関連する肩甲骨の動きは外転です。
それゆえに私たちの基盤となる動きの1つとなります。
しかも肩甲骨外転は腕を伸ばすときに使う動きですから「手を伸ばす」と言う赤ちゃんの頃に私たちが無意識に練習して体得する大切な動きです。
手を伸ばすとセットで、目で追いかける、頭を動かす、すなわち首を動かしていく基盤を築いていきます。
これだけでも肩甲骨外転の重要性が伝わるのではないでしょうか。
肩甲骨外転はそれだけに伴わず、うつ伏せからハイハイと、首を立てていく頸定にも必要です。
首が前に突き出して倒れてしまう人には重要な動きではないでしょうか。
さらにはデスクワークなどで前述の通り首と肩だけが前に出てしまっている人が非常に多いです。
この状況だと胸郭(肋骨のかご)や胸椎(胸の高さの背骨)が機能せず、それに伴い動きの力源となる骨盤も機能しなくなってしまい「首だけ」動くことになってしまいます。
そうなると、この状況に陥っている可能性が高い人に対して「首へのアプローチ」を最初に行なったり、精査する優先順位が下がるのも理解いただけるのではないでしょうか。
あとがき
肩甲骨の動きは首にとって本当に大切です。
ゲーム大好きな私は週に2日に1回は必ず40分以上肩甲骨外転の動きを確認します。
腕や肩、首で動いていないかを観察しながら気ままにやります。
それでも違和感を感じることはありますし、いつでも万全ではないため、ボディワークでメンテナンスします。
現代の私たちの生活はどうやっても首に負担をかけやすいです。
ひどいと首に負担がかかっていることに気づかずにいます。
まずは1分でもいいです。
肩甲骨ってどこだろうな、と触ったり動かしてみることから始めていかがでしょうか。
ではでは、本日はこれで失礼します。