どうも桑田です。
体の専門家として、ちょくちょく聞かれるのが「顔のシワってどうにかならない?」という質問。
特に女性の方々は気になる内容ではないでしょうか。
そんな質問に対して最近は「お顔にかかる負担を減らしてみたら良いかも」というお話をします。
え、顔にかかる負担って何?
そんな質問がさらに帰ってきます。
今日は少し美容にも役立ちそうな記事にしてみようかと思います。
顔の「側面」にあるのはなんだろうか〜顎と耳〜
私たちは想像以上に顔(頭)に負担をかけており、知らずに生活をしている方が多いです。
特に顔(頭)の側面は負担がかかりやすく、年齢に伴って側面にある関節や筋肉に強い負荷がかかっている方が多くいらっしゃいます。
顔の側面といえば「顎」と「側頭骨」です。
顎は人間の中でも1、2を争うくらいバランスで大切な部位で、骨盤への影響も大きいことから、体のズレを気にする方にとっても重要な部位です。
側頭骨は私たちの感覚の中でも大切な聴覚に関係する「耳」があります。
耳といえば聴覚だけでなく平衡反応(体をまっすぐに保つために必要な反応)に必要不可欠で、座って・立って動いている私たちにとっては、なくてはならない器官でしょう。
言い換えるならば座った状態や立った状態、歩いている時に体を支えるための腹筋や背筋を適切かつ自動的に力をコントロールするために必要とも言えます。
顔の側面にはどうして負担がかかるの?
顔の側面には顎や側頭骨(耳)といった大切な部位があることを知っていただけたと思います。
では、どうして顔の側面に負担がかかるのかをお話しします。
私たちは日々、体を起こした状態で生活をしていて、当然ながら倒れたり傾かないようにバランスを保っています。
このバランスは前述した平衡反応がコントロールとして役立っています。
この平衡反応で特に我々にとって重要なのが横のバランスで「動く=重心を移動する」という物理的に避けられない現象があるため、背骨を主体に体を左右に動かしバランスを保っています。
そんな左右の動きですが、上記の画像のような側屈という横に傾く動きを使います。
しかし、画像の通りの動きだと「頭」ごと横に傾いてしまっており、日常で使うには実用的な動きではありません。
では、頭を起こしてあげるとどうなるでしょうか。
この様に、頭を水平に保つという平衡反応が起きます。
そう、平衡反応を機能させるには「頭」と「胴体」が別方向に動けることが必須条件になります。
しかし、私たちは頭と胴体を別方向に動かせない状態でも頭を水平に保つことができてしまいます。
それは、頭から側方へ傾けてしまう動きです。
頭を青矢印の方向へ傾けることで体を傾けて、体の構造を使わずに「力」で制御して動く方法です。
そのため、傾けてる側の体の側方はかなりの負荷がかかり、しかも構造を使わずに無理くり力がかかってしまうため筋肉のみならず関節の負担も大きいです。
もう少し想像しやすいように背骨の構造を見てみます。
背骨は1本の棒ではなく細かいブロックが重なって構成されている部位で小さい関節があり、それぞれが細かく動いています。
そのため「たわむ」様な動きとなり背骨を様々な形に変えています。
しかし、この小さい関節を細かく動かすとなると、当然ながら「背骨主体」で動かないと厳しいです。
末端、特に頭から傾くような動きをしてしまったら「たわむ」ことはなく棒状に動くしかできないとイメージできるでしょうか。
そうなると、これだけ細かく存在している小さな関節を使わずに全て横方向に押し付ける動きになってしまいます。
もはや体の横側の破壊運動です。
そうなると当然ながら傾きつつもまっすぐに保っている「頭」と「首」は凄まじい側方への負担がかかります。
こうなると冒頭でお話しして顔の側方に負担がかかる、いわゆる「顎」と「側頭骨」に負担がかかることが分かります。
顎や側頭骨に負担が掛かり続けるとどうなるの?
顎や側頭骨に負担がかかり続ければ当然ながら「顔の歪み」は発生するでしょうし、平衡反応が正しく機能しないとなると地面から天井の方へ伸び上がる力がうまく使えないため「様々な部位が垂れる」可能性も高くなるでしょう。
また箇条書きになりますが
- 自律神経トラブル
- 骨盤の機能障害(仙腸関節の異常)
- 体や背骨の傾き
- 頭痛
- 慢性的な肩こり腰痛
- 荷重時の下肢の痛み:股関節、膝、足など
- まっすぐ歩けない
- 腹筋背筋が機能しない
などキリがないくらい多くのトラブルの要因となります。
そのくらい私たちは座る、立っているという状況で平衡反応に頼っており、それを発揮するための「顎」や「側頭骨」は大切な部位なわけです。
頭を胴体と別に動かす練習〜平衡反応を出せる土台を作る〜
ワーク1
1.仰向けで両膝を立てる
2.両足を左(右)側に傾ける。同時のタイミングで頭を逆に向ける(目線が下を向き斜めになりやすいので水平を保つ)
3.慣れてきたら動きは同じのまま「骨盤」と「頭」の動くタイミングを一致させる(頭が早く動きやすいので注意)
左右各10〜20回を繰り返す。
ワーク2
1.座った状態で両手を反対の肩の上に乗せます(右手は左肩、左手は右肩)
2.お顔ごとで良いので全身を左側(右側)へ捻ります
3.慣れてきたらお顔は正面のまま体を左側へ捻ります。お顔が体についてこないように注意しましょう
あとがき
今回の記事はお顔のケアなど美容領域にも役立つ知識でしたが、人間の根本的なシステムとして非常に重要であるため、当院を利用してくださった方達には今回の要素は必ず含んで実施しています。
それくらい重要な機能のお話でした。
ではでは。